【動画】柑橘・みかんドローン農薬防除と散布の様子

2016年頃から水稲を中心に農業用ドローンによる農薬散布が行われており、温州みかんを含む果樹栽培でもドローンの取り組みが進んでいます。しかし、水稲と異なり果樹での導入はまだまだ課題があります。

導入時の果樹での課題

  • 傾斜地が多い
  • 使える農薬が少ない
  • 樹の高さがあり、形が複雑で薬液付着にムラ

ドローン防除にはまだ課題も残されていますが、近年は夏場の高温による農薬散布の負担増加や圃場管理の手間、作業者の高齢化などを背景に「少しでも農薬散布を楽にしたい」と考える方が増えています。
本記事では、カンキツ・みかん栽培における農薬のドローン散布について、実際に導入された方の事例や使用可能な農薬の種類などをご紹介します。ドローン導入を検討されている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

【動画】柑橘のドローン農薬散布

ドローンを購入された柑橘農家さんから農薬散布の様子を動画でいただきました。(※掲載許可はいただいています。)

注意:音が出ます。

今回使用されたドローンは世界最大の農業用ドローンのシェアを誇る中国のドローンメーカー「DJI(ディージェイアイ)」の機体です。

これまでの水稲ドローンとは異なり、強い下向きの風(ダウンウォッシュ)を発生させるのが大きな特徴となっています。この風によって薬剤が作物の上部だけでなく、樹体内部へ送り込む効果が期待されます。

薬剤付着の様子

散布薬剤はエクシレルSE

みかんの主要病害とドローンで散布できる農薬

病害虫名無人航空機空中散布の登録がある薬剤
ミカンハダニダニゲッターフロアブル
ダニコングフロアブル
ミカンサビダニアグリメック乳剤
ダニゲッターフロアブル
ミネクトエクストラSC
モベントフロアブル
シャクトリムシ類エクシレルSE
アクセルフロアブル
コアオハナムグリ・ケシキスイ類エクシレルSE
スミチオン乳剤(みかんのみ)
ダントツ水溶剤
ゴマダラカミキリムシ成虫アドマイヤーフロアブル
アクセルフロアブル
ダントツ水溶剤
エクシレルSE
ミネクトエクストラSC
ヤノネカイガラムシモベントフロアブル
チャノキイロアザミウマアグリメック乳剤
アドマイヤーフロアブル
エクシレルSE
スミチオン乳剤(みかんのみ)
ダントツ水溶剤
ダニゲッターフロアブル
ミネクトエクストラSC
モベントフロアブル
カネタタキダントツ水溶剤
エクシレルSE
オリオン水和剤
黒点病ジマンダイセン水和剤
デランフロアブル
ICボルドー66D
灰色かび病ナティーボフロアブル
パレード15フロアブル
ベルクートフロアブル
ロンセラーフロアブル
そうか病デランフロアブル
ナティーボフロアブル
ロンセラーフロアブル
ICボルドー66D
かいよう病ICボルドー66D
貯蔵病害トップジンMゾル
ナティーボフロアブル
ベンレート水和剤
ベルクートフロアブル

※上記の農薬一覧表は2025年12月13日現在の情報を基に作成しています。最新かつ正確な登録内容や使用条件については、必ず各農薬のラベルをご確認ください。

ドローンで登録のある最新の農薬を確認するには・・・

農薬登録情報提供システム(農林水産省公式)

ドローン散布に対応した農薬は、農林水産省が運営する「農薬登録情報提供システム」を利用して確認することができます。

【リンク】

農薬登録情報提供システム(農林水産省公式)※クリックで外部リンクへ

【検索手順】

  1. 様々な項目から探す」を選択
  2. 使用方法」の欄に「無人」と入力
  3. 作物を選択」をクリックし、散布したい作物名を選択後、「確定する」をクリック
  4. 「作物を選択」に作物名が反映されていることを確認し、「検索する」をクリック

※検索結果のみを参考にするのではなく、必ず農薬ラベルや使用上の注意事項をあわせてご確認ください。

柑橘ドローン農薬散布まとめ

〈メリット〉

  • 防除作業の負担を大幅に軽減でき、特に夏場の厳しい暑さの中での散布を避けることができます。
  • 散布時間を短縮できるため、剪定や摘果など他の重要な作業に時間を確保できます。
  • (ドローン業者への委託散布の場合)園主が体調不良やケガで作業できない場合でも、ドローン業者へ依頼することで安定した散布が可能です。

〈注意点〉

  • ドローン散布に対応した農薬はまだ種類が限られており、選択肢が少ないのが現状です。
  • カイガラムシなど一部の害虫では十分な効果が得られない場合があります。
  • 通常散布と異なり、ドローンによる高濃度散布では農薬同士の混用事例やデータが十分に蓄積されていない。
  • 葉面散布剤の混用が難しい、または効果が低下する可能性があります。
  • 機体購入には初期投資が必要です。(ただし外部委託による対応可能)

柑橘のドローン防除は、まだ発展途上の技術ではあるものの機体の多様化や性能向上、農薬登録も徐々に進んでいます。また、農薬散布に限らず肥料散布も進んでおり、こうした技術面・制度面の整備が進むことで今後は現場での活用の幅がさらに広がっていくと考えられます。