クビアカツヤカミキリ特徴と生態!ウメ・桃被害の様子
近年、外国から日本に侵入したクビアカツヤカミキリの発生が各地で問題となっています。
ウメ、モモやサクラなどのバラ科樹木に発生し、幼虫が樹の内部を食べて枯らしてしまうクビアカツヤカミキリは、年々生息地域を拡大しており、現在14県で発生が確認されています。(愛知、埼玉、東京、大阪、群馬、徳島、栃木、奈良、三重、茨城、和歌山、神奈川、兵庫、京都、千葉)※2025年3月時点
2018年1月には「特定外来生物」に指定されました。
特定外来生物とは?:環境省 日本の外来種対策 (外部サイトへのリンク)
クビアカツヤカミキリ



画像の提供:埼玉県環境科学国際センター
【成虫】
- 体長は約2~4cm
- 胸部(首部)は赤く突起があり、光沢のあるツヤツヤした黒い体
- 独特なニオイがある
- 昼間に活動する
- 卵から1~3年で成虫が羽化。成虫は越冬しない。
- 発生時期は6月~8月頃で幹や枝の樹皮の割れ目に産卵する
- 成虫が成熟するための後食は産卵に必須ではない。
一匹のメスが1000個以上産卵した例があるなど、繁殖力が強いことも特徴です。
【幼虫】
- 樹から特徴的なミンチ状のフラス(虫糞と木くずが混ざったもの)を排出する。
- 樹の中で2~3年かけて成長し、成虫になると木から出てくる。
生態

一部画像の提供:埼玉県環境科学国際センター
どんな被害が出るの?


画像の提供:埼玉県環境科学国際センター
クビアカツヤカミキリに寄生された樹木は、幼虫によって木の内部を食い荒らされ、やがて衰弱し、最終的には枯れてしまいます。この影響により、落枝や倒木による人的被害の恐れがあるほか、モモやウメといった農作物や、桜並木などの景観樹にも被害が広がっています。
被害樹種:モモ、ウメ、すもも、おうとう、りんご、さくら(ソメイヨシノ、オオシマザクラ)など主にバラ科の樹木
バラ科以外に、ヤマブドウ、シダレヤナギ、カナメモチ、シャリンバイにも奇種拡大。
和歌山県での桃被害の様子


三陽アグリでは以前、和歌山県のかつらぎ町でクビアカツヤカミキリに侵入された桃の園地を見に行きました。その時に撮影させていただいた写真です。県の職員さんに見ていただき、被害樹の中を長い針金で掻き出したところクビアカツヤカミキリ幼虫が出てきたそうです。
クビアカツヤカミキリは腐った桃も食べる!?
取り忘れで腐った桃にクビアカツヤカミキリが群がっている動画を撮影していただきました。(和歌山県)
甘い香りに誘われたのでしょうか?勢いよく食べています。この動画を見て、地面に落ちた桃を放置しておくとクビアカツヤカミキリのエサとなる可能性があるので、できるだけ園地から持ち出し、処分することが必要だと感じました。
和歌山県内でも、クビアカツヤカミキリによる被害について、多くの農家の方々からお話を伺う機会が増えており、その被害が広がっていることを実感しています。
和歌山県は全国的にも有名な桃や梅の産地であるため、このまま被害が拡大すれば、地域の農業や特産品に深刻な影響を及ぼす可能性があります。今後は、関係機関や農家の皆さまと連携し、早急かつ効果的な対策を講じていくことが重要です。
防除方法
クビアカツヤカミキリ防除や対策について詳しくは下の記事でご紹介しています。参考にしてください。
クビアカツヤカミキリを見つけたら・・・
成虫を見つけたら、その場で踏みつぶすなど駆除してください。
フラスを見つけたら、幼虫が侵入した穴に薬剤を注入するなど対策が必要です。伐倒する必要がある場合もあります。
成虫・フラスを発見した場合は、最寄りの振興局・JA・市町村まで連絡をお願いします。
◎クビアカツヤカミキリ防除対策と支援や通報先:和歌山県 (外部サイトへのリンク)
◎クビアカツヤカミキリ防除対策マニュアル 改訂第2版:和歌山県 (外部サイトへのリンク)

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