クビアカツヤカミキリにアクセルフロアブル!農薬防除と効果

クビアカツヤカミキリの生態

クビアカツヤカミキリの生態は下記の記事を参考にしてください。

クビアカツヤカミキリ特徴と生態!ウメ・桃被害の様子

近年、外国から日本に侵入したクビアカツヤカミキリの発生が各地で問題となっています。 ウメ、モモやサクラなどのバラ科樹木に発生し、幼虫が樹の内部を食べて枯らしてし…

対策・防除方法

1つの方法で完全な防除は難しいので、複数の方法を組合せてしっかりと防除する必要があります。

  1. 幼虫の刺殺・掘り取り
  2. 被害の著しい樹木の伐採・伐根・焼却等処分
  3. 防風ネット等の巻き付けによる成虫の拡散防止と未被害木への産卵防止
  4. 農薬散布(フラスの出ている孔への農薬注入・樹幹散布など)

対策幼虫成虫内容
【農薬】食入孔に噴射フラスの出ている穴に薬剤を噴射
【農薬】散布木に薬剤散布
ネット巻き×ネット被覆による成虫の脱出防止
掘り取り・捕殺定期的な見回りによる直接駆除
被害樹の伐採・抜根被害樹を伐倒し粉砕または焼却

◎:効果が高い ○:効果がある △:効果が低い ×:効果がない ー:対象外

クビアカツヤカミキリ防除対策マニュアル 改訂第2版 P6の表を参照:和歌山県 (外部サイトへのリンク)

幼虫の掘り取り・捕殺(刺殺)

幼虫の食痕

画像の提供:埼玉県環境科学国際センター

フラスを見つけたら、フラス排出部分周辺の樹皮を剥ぎ、針金を差し込み、幼虫を刺殺または掘り取り、捕殺します。

①フラス排出場所を見つけ、ブラシでフラスを除く。

②ドライバーとハンマー等を用いて表皮をはずす。

③太さ約2mmの針金を差し込んで、フラスを搔きだす。

④幼虫を針金で刺殺(可能であれば幼虫を取り出す)念のため薬剤を食入孔に噴射する。

⑤期間を空けて、見回りフラスの再排出に注意する。

詳しい幼虫の掘り取り・捕殺(刺殺)は下記を参考にしてください。【写真付き】

クビアカツヤカミキリ防除対策マニュアル 改訂第2版 P7参照:和歌山県 (外部サイトへのリンク)

※【注意】全ての木には管理者がいますので無断で刺殺や掘り取りをして木を傷つけないこと。

被害樹の伐採・伐根

伐採・抜根は確実に幼虫を駆除でき、健全樹への被害拡散防止にもなります。

成虫の発生の恐れのない9月以降から4月下旬までに実施します。幼虫が根まで侵入していた事例があったため伐根します。抜根ができない場合は伐採後、根をシート等で覆うなどします。

伐採樹は枯れていても成虫が脱出するので放置せず、破砕または焼却処分します。

防風ネット等の巻き付け

ネット設置の様子

画像の提供:埼玉県環境科学国際センター

伐採・抜根が難しいときは、成虫の飛散防止のためにネットを巻きます。目合い4ミリメートル程度の丈夫なものを使用します。

樹にぴったりと巻き付けるとかみ切られやすいので余裕をもたせ2重に巻きます。

重要

ネットを巻いたら終了ではない!

ネットをかみ切ろうとしたり、ネット内での交尾・産卵があるので定期的に見回り、ネット内の成虫を捕殺してください!

農薬散布

スプレー式殺虫剤

ロビンフッド 480ml (エアゾール)

フラスが排出される孔(食入部)にノズルを差し込み噴射する。

三陽アグリへのお問い合わせは下記から

<登録内容> ※登録は一部であり、抜粋しております。

作物名適用病害虫使用方法使用時期本剤の使用回数
樹木類クビアカツヤカミキリ(さくら)噴射成虫発生初期6回以内
ケムシ類・アブラムシ類・カミキリムシ類成虫樹幹・樹枝の食入孔にノズルを差し込み噴射
カミキリムシ類樹幹・樹枝の食入孔にノズルを差し込み噴射
もも・うめ・すもも・おうとうカミキリムシ類
スカシバ類
樹幹・樹枝の食入孔にノズルを差し込み噴射収穫前日まで5回以内
※使用上の注意事項をよく読みご使用ください。

◎詳しい登録内容はチラシ又はメーカーホームページをご確認ください。

樹幹散布

アクセルフロアブル 500ml

新規作用の殺虫剤でチョウ目及びコウチュウ目に優れた効果を発揮します。RACコード(作用機構分類):22B

三陽アグリへのお問い合わせは下記から

なぜ効く?幼虫の習性を利用したアクセルフロアブルの効果

①クビアカツヤカミキリの幼虫は、樹皮下を好んで食べます。そして、溜まったフラス(木くずと糞が混じったもの)を吐き出すために、頻繁に樹皮上に顔を出します。

②アクセルフロアブルを散布された樹木には外樹皮に多くの成分が残ります。希釈倍数200倍、1000倍ともに有効な成分量が外樹皮に残っていることで長期間効果を発揮します。

③幼虫が外樹皮をかじり、樹皮上に顔を出す習性によって、アクセルフロアブルの有効成分が体内に取り込まれ殺虫効果が発揮されます。成虫には薬剤がかかったり、薬剤が散布された部分をなめると殺虫されます。(経皮・経口摂取)

【動画解説】アクセルフロアブルによるクビアカツヤカミキリ防除

提供:日本農薬株式会社

散布タイミング

成虫が出始める6月は「高濃度 樹幹散布」がおすすめです。

樹の中に虫が食入してからの防除は難しいため、成虫の発生初期に予防的に散布して成虫・若齢幼虫の食入を防止します。

注意

必ずご確認
ください。

もも類・すももへの高濃度樹幹散布(100倍~200倍)の使用は果実への飛散にご注意ください。

果実へ飛散した場合、残留農薬として検出される場合があります

高濃度樹幹散布で使用される場合は、液滴が粗く吐出量の多いノズルを使用したり、果実への飛散に注意して使用してください。

飛散が懸念される場合は、果実がない時期に散布する、もしくは通常散布1000倍を推奨いたします。

防除効果は?

樹幹散布200倍1回 ≧ 散布1000倍2回 ≧ 散布1000倍1回

200倍の高濃度散布で長期残効が期待できる!

散布場所(散布部位)

樹幹部にしっかりと散布

例1)高濃度散布(200倍)は主幹部から株元にしっかりと散布

例2)低濃度散布(1000~2000倍)は主幹部から株元、主枝を重点的に散布

高濃度散布(200倍)では株元から樹高3mくらいまでしっかり濡れるように防除する。

樹幹への散布は液滴が粗く吐出量の多いノズルを使用すると周りへの飛散が抑えられます!

<アクセルフロアブルの登録内容> ※登録は一部であり、抜粋しております。

作物名適用病害虫希釈倍数使用液量使用時期使用時期使用時期メタフルミゾンを含む農薬の総使用回数
うめケムシ類
クビアカツヤカミキリ
1000倍200~700L/10a収穫前日まで3回以内散布3回以内
ケシキスイ類1000倍~2000倍
1000倍100~300ℓ
/10a
全面土壌散布
樹木類
(さくらを除く)
ケムシ類1000倍~4000倍200~700L/10a発生初期6回以内散布6回以内
さくらケムシ類1000倍~4000倍200~700L/10a発生初期6回以内散布6回以内
クビアカツヤカミキリ200倍5~200L/10a成虫発生直前~成虫発生期主幹から株元に散布
クビアカツヤカミキリ100倍木屑排出孔を中心に薬液が滴るまで樹幹注入
もも類
すもも
クビアカツヤカミキリ
ケムシ類
1000倍200~700L/10a収穫前日まで2回以内散布4回以内(樹幹散布は2回以内、散布は2回以内)
クビアカツヤカミキリ100~200倍5~200ℓ/10a樹幹散布4回以内(樹幹散布は2回以内、散布は2回以内)
  • 本剤は植物体への浸透移行による効果は弱いので、かけ残しのないように葉の表裏に十分散布する。
  • 本剤をクビアカツヤカミキリに使用する場合は、次の点に注意する。
    • 1)樹幹注入で使用する場合は、被害樹の加害痕である木屑排出孔の木屑を除去した後に排出孔内に薬液が滴るまで注入する。
    • 2)散布で使用する場合は、樹幹部および主枝に十分量散布する。
  • うめに全面土壌散布する場合は、過度な降雨等により土壌に薬液が染み込みづらい条件では効果に影響を及ぼすおそれがあるので、使用をさける。
  • すももに樹幹散布で使用する場合、散布液が果実にかかると汚れを生じるおそれがあるので果実にかからないように十分注意する。
  • ミツバチに対して影響があるので、以下のことに注意する。
    • 1)ミツバチの巣箱及びその周辺にかからないようにする。無人航空機による散布でそれらに飛散するおそれがある場合には使用しない。
    • 2)関係機関(都道府県の農薬指導部局や地域の農業団体等)に対して、周辺で養蜂が行われているかを確認し、養蜂が行われている場合は、関係機関へ農薬使用に係る情報を提供し、ミツバチの危害防止に努める。

◎詳しい登録内容はチラシ又はメーカーホームページをご確認ください。

クビアカツヤカミキリを見つけたら・・・

成虫を見つけたら、その場で踏みつぶすなど駆除してください。

フラスを見つけたら、幼虫が侵入した穴に薬剤を注入するなど対策が必要です。伐倒する必要がある場合もあります。

成虫・フラスを発見した場合は、最寄りの振興局・JA・市町村まで連絡をお願いします。

クビアカツヤカミキリ防除対策と支援や通報先:和歌山県 (外部サイトへのリンク)

クビアカツヤカミキリ防除対策マニュアル 改訂第2版:和歌山県 (外部サイトへのリンク)

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