【有田】点滴潅水の園地視察・有葉花と直花とは?

三陽アグリです。先週の土曜日に、有田の農家さんの園地にお邪魔しました!あいにくの雨でしたが、充実した時間を過ごせました。

様々な設備や道具を見せていただいたのでご紹介します!(写真等の掲載許可はいただいています。)

有葉花の摘蕾

この時期は、みなさん着花量に応じた花芽管理をされていますが、今回伺った農家さんの所では、みかんが毎年安定的に成るために「有葉花摘蕾」という作業をされていました。

有葉花の摘蕾は、「次年度の着花確保」が目的としています。具体的には、有葉花を摘み取ることによって、新たに生まれる新梢(しんしょう)を確保し、結果母枝(けっかぼし)として育成するための重要なステップです。結果母枝とは、翌年に実をつけるために必要な枝であり、新梢に花芽がつくため、翌年の収穫に直結します。

有葉花と直花の違い

有葉花(ゆうようか)とは

名前の通り、葉を有する花です。

枝から新たに新芽を出し、その新芽の先に芽生えた花を有葉花といいます。

結実が早くて新芽から沢山の養分が供給されるので、栽培管理もしやすく品質のよい果実ができやすいです。

対して、昨年成長した枝に直接、花だけが咲くことを「直花(じかばな)」といいます。

直花(じかばな)とは

昨年成長した枝に直接咲く花のことです。直花は有葉花に比べて着花数も多く、開花は早いですが、花を養うための新芽がないので葉などからの栄養が不足しがちで生理落果で簡単に落ちてしまったり、残っても果実の品質が低くなることが多いです。

有葉花摘蕾の重要性

  • 新梢の確保
  • 翌年の安定した着花
  • 品質の確保

農研機構の文献でも有葉花の摘蕾と翌年の結果母枝の確保について書かれています。

5月にかけて有葉花(果)の摘蕾を必ず行います。表年樹では有葉花(果)はわずかですが、摘蕾(果)により新梢を確保することができます。

―【農研機構】カンキツ連年安定生産のための技術マニュアル-第一章 弱剪定と後期適果 より

この新梢の確保が、翌年に実をつけさせる結果母枝(けっかぼし)の育成につながるのです。

みかん農家さんはこの有葉花率を高めるために毎年、研究をして最適な栽培方法を探求されています。

有葉花 摘蕾の例

この蕾を摘んで落とすと、来年ここに花が咲いて美味しいみかんが収穫できます。

このように有葉花摘蕾は、次年度の収穫を安定させ、品質の良い果実を育てるために欠かせない重要な作業なのです。

点滴潅水

点滴潅水の様子
点滴潅水チューブの内部

点滴潅水は、作物の根元に設置されたチューブから少量ずつ均等に水を供給する方法です。特に、水分管理が重要な柑橘栽培では、点滴潅水も有効な手段の一つです。

また、均一な水流を確保するためには、点滴チューブ内の構造が重要だとおっしゃっていました。

点滴潅水は液肥なども入れることもでき、灌水ができにくい場所でもコックをひねるだけでいいので作業の効率化も図れます。

静電噴口

みのる産業の静電噴口を見せていただきました。

静電噴口は、静電気の原理を応用しており、散布した薬液が対象物にひきつけられて付着します。農薬使用量の削減が期待できるそうです。

実際にベタっと薬液がくっついてくれるので良いとおっしゃっていました!また後ほど散布後の写真を見せていただきます!(^^)!

使用事例として、みかんの露地で使用されている方は少ないようですが、野菜などでもよく使われているそうです。葉面散布剤など葉の裏にもしっかり付着させたい場合、良さそうですね。

静電噴口を使われている方、他にもみなさんが使われているノズルやオススメがあれば教えてくださいm(__)m

穴場スポットにも

見晴らしの良い場所もご紹介いただきました(^^♪ 

両サイドの山が開けていて、奥へ奥へと畑や家が続き、ずっと眺めていられる景色でした。
空気もとても気持ちよく、地元の方しか知らないような、まさに穴場スポット。あいにくの天気でしたが、今度は晴れの日に訪れてみたいと思います。

週末の土曜日、お客さまのところにお邪魔して良い経験ができました。


三陽アグリでは、防除相談・現地視察など行っていますのでお気軽にご相談ください。