【野菜】チョウ目に!ジアミド系殺虫剤の特徴と主な農薬
ジアミド系殺虫剤とは

野菜では、主にヨトウムシやコナガなどチョウ目の防除に使われているジアミド系殺虫剤。(IRAC作用機構グループ28)
多くの殺虫剤は成分が昆虫の皮膚や口から入ると神経に作用し、興奮状態にさせ、死に至らしめますがジアミド系は昆虫の筋肉に作用します。

ジアミド系殺虫剤を摂取した昆虫は、筋肉の異常収縮を引き起こします。その結果、筋肉が縮こまり、脚や羽が動かなくなって食べることができなくなって餓死します。死亡するまで数日かかることがありますが、食害はすぐに止まります。
主なジアミド系殺虫剤
様々なジアミド系殺虫剤がありますが、代表的な薬剤を比較してみました。
野菜のハスモンヨトウ・シロイチモジヨトウ・コナガ・オオタバコガなどのチョウ目(鱗翅目)
| 農薬名 | 浸透移行性 | 浸達性 | 発売して | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ヨーバルフロアブル | ◯ | ◯ | 約6年 | 他に比べて新しいジアミド系殺虫剤。 |
| ベネビアOD | ◯ | ◯ | 約11年 | チョウ目の他にアブラムシ類・コナジラミなどの防除にも。オイルベースなので薬害等、使用上の注意事項を確認する。 |
| フェニックス顆粒水和剤 | ✕(弱い) | ◯ | 約19年 | 登録作物が多く、大型チョウ目に。野菜の他に一部果樹の登録もある。製剤としてフロアブルもある。 |
| プレバソンフロアブル | ◯ | ◯ | 約16年 | 野菜のチョウ目にメジャーなジアミド系殺虫剤。他のジアミド系殺虫剤に比べ安価。(※倍数などにもよる) |
上記農薬はあくまで一例です。地域などにより農薬の使用頻度や抵抗性の有無は異なりますので防除に関してはお近くの販売店・試験場・普及所などにご確認ください。
また、農薬は登録内容が変更されることもあるので使用の際はラベルや製品ページをご確認の上、ご使用ください。
根や葉から薬の成分が吸収され、有効成分が植物体内を移行していく性能のこと。
有効成分が葉の表面から裏面へしみ込む作用のこと。
ジアミド系殺虫剤の注意点
【抵抗性害虫の出現】
ジアミド系殺虫剤に限った話ではありませんが、ジアミド系殺虫剤は特にチョウ目害虫に対して高い殺虫効果と長い残効性を示す殺虫剤ですが、だからこそ連用されることも多く、害虫によっては農薬の抵抗性が出現しているところも多いです。
【潅注処理は水分管理に注意】
ジアミド系殺虫剤は、上記の説明にあったように害虫が薬剤成分を摂取することで効果を発揮するタイプですが、植物体内への移行性があることから、散布時のムラが生じにくい点が特徴のひとつです。ただ、成分を根から吸収させるので、苗への潅注処理では土壌や苗などが乾燥気味だと十分な効果が得られないことがあるので、購入苗などで土が乾燥しているときは、あらかじめ水に浸すなどして土壌に十分、水分を含ませてから処理を行う必要があります。
農薬の抵抗性とは?
農薬が効きにくくなるのは、ジアミド系殺虫剤だけではありません。
農薬の抵抗性について詳しく知りたい方は下記記事をクリックしてご確認ください。
和歌山県の発表では・・・

和歌山県では令和8年5月8日に「ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウの発生に注意してください」という案内が発表されました。
その中の防除対策でも下記のような説明があります。
ハスモンヨトウについては、一部個体群では合成ピレスロイド剤、BT 剤、ジアミド剤、プレオフロアブルに対して感受性低下が認められています(令和 7 年度防除技術情報第8号)。また、シロイチモジヨトウについても、合成ピレスロイド剤、ジアミド剤等に対して感受性の低下が認められています。ほ場内でハスモンヨトウやシロイチモジヨトウの発生が確認された際は、これらの薬剤の使用を控えるか、散布後の効果をよく確認してください。また、薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同一系統の薬剤の連用を避けてください。
地域や害虫、使用する薬剤によって効果に違いがみられる場合もあるため、害虫の発生状況や薬剤の使用について判断に迷った際は、お近くの農薬販売店、農業試験場、普及所などに相談し、地域の情報を確認したうえで防除体系を検討しましょう。

