柑橘のへた落ち防止にマデックEW!収穫前の落果防止で安定生産
貯蔵中のへた落ちや収穫前の樹上落果

柑橘では伊予柑、甘夏、ネーブル、八朔、日向夏、河内晩柑、文旦、清見など収穫前の冬季に落果することがあります。また、ヘタ枯れ果やヘタ落ち果は、黒腐病が発生しやすく果心部が黒変、腐敗してくるためヘタを健全に保つことは重要になります。貯蔵中のへた落ち防止や樹上落果防止目的としてマデックEWを散布しましょう。
植物成長調整剤「マデックEW」

| 農林水産省登録番号 | 第23427号 |
| 成分 | MCPB 20.0% 水、界面活性剤 等 80.0% |
| 毒性 | 普通物 |
- かんきつの収穫前の後期落果を抑えます。
- かんきつのへた落ちを防止し、貯蔵病害の発生を抑えます。
- 翌年の花数減少、樹勢劣化の原因となる冬期の落葉を防止します。
- においが少なく、使いやすいEW 薬剤です。
登録内容
| 作物名 | 使用目的 | 希釈倍数 | 使用液量 | 使用時期 | 本剤の使用回数 | 使用方法 | MCPBを含む農薬の総使用回数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| かんきつ | 冬期落葉防止 | 2000~3000倍 | 300~400ℓ/10a | 11月~1月但し収穫10日前まで | 1回 | 立木全面散布 | 冬期落葉防止及びへた落ち防止に使用する場合は合計1回以内、後期落果防止に使用する場合は2回以内(但し、異なる目的には使用しない) |
| へた落ち防止 | 収穫開始予定日の20~10日前 | 2回以内 | |||||
| 後期落果防止 | 着色期から収穫20日前まで |
マデックEWの効果と使用方法
伊予柑のヘタ落ち防止や河内晩柑の後期落果防止として試験されています。
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◎へた落ち防止
【使用濃度】2000~3000倍液をたっぷり散布
【使用時期】収穫20日前
※品種により散布適期は異なる場合がございますので詳しくは防除所等関係機関の指導を受けてください。
【散布上の注意事項】
★着色前~着色初期は薬害に注意してください。また、総使用回数(1回)は守ってください。
◎後期落果防止
【使用濃度】2000倍液をたっぷり散布
【使用時期】登録内容:着色期から収穫20日前まで
河内晩柑
①散布時期(1回目)10月下旬~11月上旬
②散布時期(2回目)1回目散布から20日後(11月中旬~下旬)
★着色前~着色初期は薬害に注意してください。また、総使用回数(2回)は守ってください。
※品種により散布適期は異なる場合がございますので詳しくは防除所等関係機関の指導を受けてください。
【上手な散布方法】
- 登録内容にあるように「着色期」を基準に散布適期が決まるので、着色開始時期を確認しましょう。
- 散布直後の降雨は効果を低下させるので天候に注意し、晴天日に散布しましょう。
- 薬液の乾きを良くするためササラ(展着剤)を加用しましょう。
- マデックEWは移行性が少ないのでヘタ部分を中心に果実周辺分に散布しないと効果不足の可能性があります。
植物ホルモン剤の効果は散布後の気象条件や樹体条件により左右されるので、決められた使用方法を守りご使用ください。
【会員登録について】
マデックEWの品種ごとの散布適期やポイントなどもっと詳しく確認したい方は上記の会員登録ボタンから会員登録をして完了後、弊社宛にメールやFAX等でお知らせください。お客様の登録内容を確認次第、記事のURL・パスワード等をお送りします。すでに弊社でご購入いただいているお客様は登録は不要ですので弊社・担当までお気軽にご連絡ください。
展着剤ササラとの混用で効果安定+使いやすさアップ?

ササラは散布液を均一に付着させ、さらに散布液が濡れ広がる湿展性展着剤です。マデックEW(MCPB乳剤)との適用があります。
ササラを加用することで薬剤がよく濡れ、泡もよく消えます。また、マデックEW単体よりも良く溶けるので混ぜやすくなります。効果に関してもササラを混用した方がへた落ちや落果が減り、健全果率が高いという試験データもあります。
| 適用農薬名 | 適用作物名 | 希釈倍数 |
|---|---|---|
| MCPB乳剤 | かんきつ | 2000~3000倍 |
使用上の注意事項
植物ホルモン剤の効果は散布後の気象条件や樹体条件により左右されるので、決められた使用方法を守りご使用ください。
- 本剤の所要量を所定量の水に薄め、よくかきまぜてから散布してください。なお調製した薬液はその日のうちに使用してください。
- 本剤は植物ホルモン剤であり、散布条件によって薬効、薬害に影響が現れやすいので他の薬剤との混用はさけてください。
- 散布直後の降雨は効果を減ずるので、天候を見極めてから散布してください。
- 使用の際は薬液が果梗部を中心に葉先からしたたり落ちない程度に樹全体にむらなく、ていねいに散布してください。
- 本剤は一般作物にもごく微量でホルモン効果をあらわすので周辺作物にかからないよう注意してください。また使用後の散布器具等は十分洗浄してください。
- 本剤は植物ホルモン剤であるので使用に際しては、特に使用時期、使用量、使用方法などを誤らないよう病害虫防除所等関係機関の指導を受けてください。
- 極端に樹勢の強い樹や樹勢の弱い樹、また幼木では本剤の使用をさけてください。
- へた落ち防止を目的として使用する場合、果実を長期間貯蔵したい場合にのみ使用してください。
- 着色前および着色初期には、着色遅延のおそれがあるので使用しないでください。
- かんきつに使用するに当り、下記に記載した使用目的と作物の組み合わせ以外に本剤を初めて使用する場合は、使用者の責任において事前に薬効・薬害の有無を十分確認してから使用してください。なお、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましいです。【へた落ち防止:伊予柑、甘夏、ネーブル、はっさく、不知火、はれひめ、天草、はるみ、はるか、せとか、ポンカン、まりひめ、ひめのつき、南風、愛媛果試第28 号、長門ユズキチ、ブラッドオレンジ】・【後期落果防止:清見、河内晩柑、はっさく、日向夏、セミノール、サマーフレッシュ、カラ、バレンシアオレンジ、アンコール、マーコット】
まとめ
実用化されている技術であっても、植物ホルモン剤の効果は気象条件や樹体の状態によって左右されるため、状況によっては十分な効果が得られない場合があります。そのため、使用する際には各園地の環境や樹体の特性をよく観察し、継続的な検討を行うことが重要です。また、落果を防ぐためには、防風対策や施肥・土壌管理といった耕種的な対策もあわせて実施していきましょう。


